今年長さんのけっとくん。
これの送り迎えは、ほぼじじがやってくれてる。
この2年半で、僕が保育園に顔を出した回数なんて、両手の指を足したのとそう変わらない数じゃないかなぁ。
そんな滅多に見かけない、絶無危惧種と変わりないような僕のことを、子供らはなぜかばっちり覚えてて、行くたびにつきまとわれる。
そして、顔を出すたび割と頻繁に同じことを聞かれる。
「ねぇ、けっとくんのパパぁ~、けっとくんのお母さんは~?」
別に秘密にするようなことでもないので正直に応えている。
「死んじゃったよ。でもさぁ、それ、君があかぐみさんの頃の話だよ?」
「ええ!?」
毎回新鮮に驚いてくれるのは、なぜ?
今日も聞かれた。
そういう日は、お母さんの話題でも出てるんだろうか。
帰る道すがら、今度はけっとに責められた。
「ねぇ、パパー、はやくママきたほうがいいよ」
「ええ!なんで?」
「だっってねぇー、ふべんじゃん」
別に、けっとが感じるような不便さはあまりないと思うのだけれど・・・
「けっとは、お母さん欲しいのか?」
「うん!」
「なんで?」
「おかあさんのつくったごはん、たべたことないんだもん」
ああ・・・
そうだね。
けっとだけ、母親の作ったごはんを食べたことがないね。
離乳食、いや、ミルクからして、ずっと僕が作ったモノばかりだもんな。
「だからねぇ~、やさしいママがほしいなぁ」
「やさしいママが良いのか?」
「うん、やさしいママがいい。パパー、はやく探してきてよー。
ねぇ、けっとのママは、どこにいるの?」
そ、それは・・・・・
こっちが聞きたいよっ