哀しい夢

一瞬起きたのが、30分早めてある僕の目覚ましで午前3時だった。

ちらっと時計見て、やべっ 寝よっ

と、目をつむった。



その時見た夢が、一瞬起きた前からの続きだったのか、一瞬起きた後で見たモノなのか、はっきりしない。




夢の中に、ゆめが登場した。実に、13年ぶりくらいの快挙。
前回は、あたし歩けるよって言いながら、初任校時代に住んでいた官舎の部屋の椅子から立ち上がり、僕の方へ向かってクララみたいによちよちゆらゆら歩いてくる、そんな夢だった。

今回は、ゆめはたったやけっとたちと遊んでいた。
最初走り回って普通に遊んでいたのだが、途中でジャングルジムみたいのに登るのが大変になり、さいごには這って移動するまでになっていた。
家に戻すのにゆめを後ろから椅子抱っこしようとして

「もうゆめには(病気のことを)話してもいい時期だよな?全部、知ってるんだろ?」

「うん知ってるよ」

それ聞いて、ゆめを抱えたまま大号泣した。ゆめはなぜか、「ウィーンでは(子供に話すのは)普通のことだよ」って言ってた。



あまりに大泣きして、ついでに目が覚めた。
泣きながら目が覚めるなんて、何十年ぶりだろう。
自分の、泣き叫ぶ大声で目が覚めたんだ。
時計を見たら、3時20分だった。





ゆめは知ってた、何もかも。
これは、夢の話なのか。
何かの暗示か。




ただ、起きてしまってからしまった!と思ったのは、もっと他にもいろいろ聞いておけば良かったのにってこと。せっかくしゃべるゆめが出場してくれたのに、ただ泣くばかりで何も聞けなかった。
その後頑張って寝ようとしたが、もうダメだね。
たぶんあれで寝ても、次はまた違うゆめを看るんだろう。
そして朝になれば、なんで泣いた痕が顔に貼り付いてるかも忘れてるんだ。





あぁ・・・・
久しぶりに心から悲しい夢だった。
だったけど、なんかすがすがしい気持ちもある。夢の話なのに。

知ってたんだ、ゆめさん・・・・

もしかしたら、ゆめに何も説明してないことを心のどこかで気にしてたのかも知れない。
どんどん体が動かなくなることを。
どんどん出来ることが減っていくことを。

僕は何も説明してない。
ゆめは、聞きたかったかも知れない。
でもそんなことを聞く語彙があるような脳みそでは、最初から無いから。
知ってたんなら、良かった・・・

良か無いけど。
ちっとも良か無いけど。

もしかしたらこの夢は、今、いろいろ説明しろってことなのかも。
ゆめの体のことかもしれんが、ひょっとしたらもっと他のことかも。



そういえば、ちらっとママも登場してたな。
なんかを買ってきてくれって僕に頼んでた。
それで外へ出て、ゆめを抱きかかえたんだった。



そういえば、僕もゆめに何も聞いてなかったな・・・
ちゃんと聞いとかなきゃいけなかったな。




あー。
もう寝られそうにないなぁ。


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