姉弟

ゆめパパ

2012年06月06日 06:31

ふと思い立って、たったに聞いてみた。
朝起こしながら、ほとんど寝込みを襲う勢いで。
たったは、思考回路がほとんど動いてない状態で、それってつまりは本音で、答えてくれたと想像する。



「たった、お前さぁ、ゆめちゃんのこと、好き?」

「うん・・・」

「なんで?」

「うえだから」

「うえ?年上ってこと?」

「うん」

「じゃぁ、パパはゆめちゃんを特別扱いしてると思う?」

「ううん」

「なんで?」

「んっとねー・・・、パパやぁママとぁ、離れて暮らしてるから」

「つまり、ゆめちゃんは寂しい思いをしてるからってこと?」

「うん」

「お前、やさしいなぁ。じゃぁ、けっとは好き?」

「あんまし・・・」

「あんまし、なに?」

「・・・」

「好きじゃない?」

「だって、いやだっていうことばっかりするんだもん」

「そかー。パパも弟があんまり好きじゃなかったよ。ダメだって言うことばっかりしたからね。仲が悪かったよ。けんかばっかりしてた」

「今は仲いいジャン」

「そりゃそうだ。大人だもん」

「大人は良いの?」

「あのな、大人になればわかるけど、一人より兄弟がいた方が良いんだよ。パパだって、たまにしか会わないけど、あいつら帰ってくると嬉しいよ。家族が増えるからね。もしけっとがいなかったら、ゆめが死んじゃったあとでお前はひとりぼっちだぞ」

「・・・」

「けっとはな、ママが命をかけて産んでくれたんだよ。お前がひとりぼっちにならないために。おまえも、ゆめのことも一生懸命産んでくれたんだけど、けっともそうよ。かけがえないんだぜ。おまえもゆめも、けっともな」




今、昨日までより仲良く遊んでます。
あいつは素直だ。



朝っぱらからの短い会話で、たったの深いところの思いや葛藤が見えた気がした。


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